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4年間で得た知見

今年度主務を務めております、太田有香と申します。

平素より、同志社大学体育会男子ラクロス部への多大なるご支援ご声援を賜り、誠にありがとうございます。

私たちが日々、恵まれた環境でラクロスや学業に打ち込むことができているのも、ひとえに同志社大学体育会ラクロス部男子に関わってくださる皆様のおかげです。

この場を借りて、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございます。

稚拙な文章ですが、最後まで読んでいただければ幸いです。


引退ブログは何のために、誰に向けて、書くものなのか。

4年間の総評とするのも悪くないと思いつつ、私の4年間が少しでも後輩の糧になればと思い、後輩たちに私の経験を託すことができる最後の機会と位置づけ、「4年間で得た知見」をいくつか認めることとしました。



01.好かれる必要はないが、嫌われない必要はある

理由はシンプルです。人から嫌われても良いことなんてひとつもないからです。

自分の好きな人や、自分のことを好きな人から嫌われない方が良いのはなおのこと、自分の苦手な人からも同様です。私にはこの最後がどうしても難しく、今までなら嫌いな人とは関わらないと割り切れたものが、4年間の部活で通用する訳もなく、現役中にとても悩まされた問題です。

じゃあ嫌われないためにはどうすれば良いのか。

私が4年間で導き出した答えは、自分が人を嫌いにならないことです。「この人のこと嫌いだな」と思ってしまえば、嫌いな人のための目、嫌いな人のための声、嫌いな人のための言葉、、どれほど気をつけていても、嫌いな人のために用意された振る舞いが現れてしまうものです。そしてそれは、必ず相手にも伝わり、お互いの「苦手意識」が「嫌い」へと変化する、というのが「嫌い」の生成プロセスです。自分が人を嫌いにさえならなければ、そこからは何も生まれません。

大谷翔平は、他人の自分には考えられない言動を目にした時、「自分はそういう人間じゃなくてよかった」と思うそうです。少し辛辣に思えますが、このくらいの距離感が意外とお互い心地よかったりします。おすすめです。


02.人間関係の健全性は戦績に直結するということ

色んな代の色んな大学の話を聞いて、また自分の経験則として、「仲の悪いチームは戦績も悪い」、これは例外なく言えます。

嫌いという感情は、好きという感情を上回るほどのエネルギーであらゆる問題を引き起こします。

特に、同志社大学のような、主体性を重んじ、部員ひとりひとりが部に必要不可欠な何らかの役割を担って活動しているような組織においては、たった2人の間だけと思われる人間関係のねじれがあらゆるところでショートを起こし、たちまち組織全体が機能しなくなります。また、ねじれが生じてから組織全体が機能しなくなるまでは本当に一瞬です。「今シーズンさえ乗り切れば、、」なんて悠長なことを言っている暇はありません。ほんの少しのねじれでも、気づいているなら、見て見ぬふりをせず、即行動に移すべきです。面と向かって、腹を割って話す、殴り合いに発展したとしても、その問題から目を背けるべきではないです。本当に勝ちたいなら。


03.自分が正しいという考えは真っ先に捨てること

意見が対立した際、「理解できない」「私は間違ってないのに」とよく耳にします。しかし、絶対に忘れてはいけないのは、自分の意見を構成する要素は、あくまで自分の知り得る情報と経験の範囲から拾い上げたもので、揺るぎないはずの確固たる意思も、想定外の情報ひとつで、対極へと覆ることも稀ではないということです。意見の対立する相手の意思決定の裏には、自分の知らない状況があるのかもしれないと思えるだけで、その可能性を認めることが出来るだけで、心に余裕が生まれ、たとえ対立は避けられずとも、人間関係や最終的な決定に対する納得感が格段に違います。自分が正しいという考えは真っ先に捨てて、もしかしたら自分が間違っているかもという可能性だけは最後まで捨てないで大事に取っておきましょう。



04.効率化と全体最適は必ずしもイコールではない

主に、選手スタッフ間の行動選択の基準のギャップの話になるかもしれません。

男子ラクロス部は独自のグラウンドを保有していないこともあり、「限られた時間の中で、どれだけ密度の高い練習が出来るか」という共通認識の下で、日々練習をしていると思います。言葉で言うのは簡単ですが、毎練習ごとに人数やメニューが変わる中で、「限られた時間」と「密度の高い練習」という本来相反する2つの要素のバランスを取るというのは、本当に難しいことだと思います。性質上、スタッフは「時間」を、選手は「練習内容」を重視します。ここにギャップが生まれてしまうことは、ごく自然なことです。しかし、実際、チームに勝ちをもたらすのは、フィールド上の選手のプレーにほかならいのだから、全体最適の基準は、選手ファーストであるべきだったと今になって後悔しています。

部内にしか伝わらない例を出すとするなら、1on1を1ポイントでやってくれたら、クリースのテープもデンジャーのテープも少なくて済むし、仕切りも楽だし、ビデオも2人でいいし、動画のairdropも1回で済むし、ボールアップも楽。でも、2ポイントにした方が、回転率が上がって、選手は待ち時間なく、たくさん1on1ができる。この場合、全体最適はどちらでしょうか?(これはさすがに言うまでもなさすぎるか!!笑)

選手の言うことなら無理難題も実現させろという訳ではないし、選手もスタッフの人数や状況を鑑みて、妥協しなければならないこともあります。しかし、ある種スタッフのエゴとも言える時間的効率の向上によって、練習の設定意図が体現されないということは、決してあってはならないことです。

私たちスタッフは、「選手が試合で最高のパフォーマンスを発揮するための環境を常に提供し続ける」必要があります。行動選択の基準としてみてください。


05.損して得取れ

「損して得取れ」とは、将来的な利益のためであれば、一時的な損失も投資の範疇だというような意味です。

4年間も部活をしていれば、理不尽なことや納得のいかないこと、たくさんありました。そんな時、強引に間違い正すこと、一思いにモヤモヤを晴らすことが果たして正解でしょうか?私もここでは書ききれないほどたくさん、それはそれはたくさん失敗しました。言った後に「絶対言いすぎたああああ」って後悔して、そうして危うい関係性を築いたせいで、ちょっとした頼み事すらしづらくなったり、、、4年間気持ちよく部活をしていくために必要不可欠な頼り頼られる仲間を減らし、それに伴って自分の時間も削られていきました。一時的な得を優先したせいで、被った損失の大きさを身をもって実感しました。たとえ、自分の主張が正しかったとしても、その時の感情に任せて、自分の思う正解へと引き寄せることが本当に正解なのか、ぐっと堪えて考えられるようになりましょう。

怒りの感情のピークは、長くて6秒と言われています。6秒間歯を食いしばってぐっと堪えればいい。どうしても無理ならその場から離れればいい。6秒の損と、引退までの2年3年の得。どちらを選ぶかは皆さんに委ねますが、この話を思い出して後悔のない選択をしてほしいと思います。


ここに書いたことは全部、私が現役中にできなくて、今死・ぬ・ほ・ど・後悔していることです。

私が引退ブログに書くことで、後輩たちの未来の後悔が少しでも軽減されればと思い、ここまで長々と書いてきましたが、こういうものは、どれだけ人から聞かされても6割くらいしか伝わらないのが世の性だし、引退してからしみじみ思うくらいがちょうどいいのかもしれません。


最後に

家族へ

辛いことがあっても、無条件に私の幸せを願ってくれている人がいるというだけで、強くなれました。

失敗しても、受け入れてくれる場所があるというだけで、勇気が出ました。

4年間、学業・部活・バイト・遊び、全部に全力投球させてくれて本当にありがとう!!!

今度は、私がそんな存在でいられるように、家族を想う時間を大切にしていきたいと思います。


同期のみんなへ

みんなを一言で表すなら、同じ教室で授業受けてるだけなら絶対仲良くなってないだろうなって人種の集まりって感じ!おかげで毎日が刺激的で、4年間ほんとにほんとにあっという間でした!

めんどくさい女代表みたいな私を受け入れてくれて、色んな刺激くれて、沢山成長させてくれて、そして何より、何かに熱中するっていう何にも変え難い経験をさせてくれてありがとう!!!

これからは、きっとみんなバラバラになっちゃうけど、おじちゃんおばちゃんになっても、たまにみんなのこと思い出して、あんなことあったな〜ってクスって笑ったり、今どこで何してるのかな〜って想像してみたり、、そんな関係性でいられたら嬉しいなあ〜〜〜

みんなの幸せを心から願っています!!!

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